井川には縄文時代から
人が住んでいるのです
「私は若い頃、井川を出て市街地で働いていました。本当は井川に戻ってくる気などさらさらなかった(笑)。でも親からは帰郷するたびに〔そろそろ井川に戻ってこいよ!〕と促され、しかたなく帰ってきたような感じですね。まあ、それまでやっていた電力関係の仕事の経験も活かせそうだったので、戻ってきました」と大村さん。その後、60歳で会社を定年退職。「第2の人生はどんなことをやろうかな?」と考えていた矢先に出会ったのが「南アルプス・井川エコツーリズム推進協議会」の活動だったそうです。
今から60年ほど前のこと。田代にある割田原遺跡の発掘調査が行われました。遺跡からは、縄文時代の土器や住居跡などが発見され、なんと4,000~5,000年前から井川に人々が生活していたことがわかったのです。幼い大村さんは、大変驚き、興味を持ったそうです。
定年退職まもない大村さんは、幼い頃に味わったあの感動と興奮を思い出し、「井川の歴史をみんなに伝えたい」と考え、エコツーリズムの一環として、井川の歴史に触れるウォーキングプログラムを作り、史跡などを案内することにしたそうです。
「私は最近、井川の10年後20年後を考えた時、この先どうなってしまうのだろうと考えてしまいます。このままいけば人口が減っていくことはまず間違いないでしょう。もしかしたら井川の存在すら危ぶまれる時代が来るかもしれません。そんな中、微力ながら私がお手伝いできるのは、この井川の歴史や文化を多くの人に伝え、少しでも井川に興味を持ってくれる方を増やすことです。それによっていきなり大勢の移住者がやってくるとは思っていませんが、〔継続は力なり〕だと思っています。これからもずっと伝えていきたいですね。」と大村さん。
「若い方々にも協力してもらいたいとも思いますが、彼らには家族を支える仕事があります。だから私たち定年組が、老体にムチ打って井川の素晴らしさを伝えていこうと思います(笑)。もちろん、若い方々の協力は大歓迎です!いっしょに井川を盛り上げてくれたら嬉しいですね!」と、笑顔たっぷりにおっしゃってくれました。
井川伝統の神楽(かぐら)では「しの笛」を趣味で製作し、数十年に一度行われる本神楽では、相伝の「安倍刀(あべたち)」と呼ばれる真剣を使った舞を奉納するという多彩な才能を持つ大村さん。大村さんの「井川愛」は、永遠に冷めることはないでしょう。
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