霧香る井川茶の栽培
「うちで商売を始めたのは、昭和30年ごろでしたね。当時はダムの建設などで人が増えはじめ、街からパン職人さんを呼んできてパン屋などもやりました。とにかく賑やかでした。ピーク時には8,000人も人口があったのですから…。お茶を本格的に扱い始めたのは、昭和35年ごろですね。」と語る滝浪さん。
昔、お茶は薬として扱われ、「茶道」のように文化としても嗜(たしな)まれ、心のゆとりの象徴でした。その源流を脈々と受け継ぐ井川茶は、朝夕の深い霧の香りがすると言われ、まろやかな渋みと甘味が特徴のゆっくり味わいたい逸品です。
滝浪園は現在、静岡市葵区籠上にも店舗を構えています。「井川茶を静岡市街地のみなさんに知ってもらうには、井川で待っているだけではダメだと思ったのです。だから、市街地にも滝浪園を作ろうと思ったのです。今、考えれば、アンテナショップの走りみたいなものですよね。既に存在していた井川茶ファンにも大変重宝されました。」と滝浪さんは続けます。
滝浪園では、時代に合わせてインターネットによる井川茶の通信販売も実施しています。インターネットやアンテナショップで井川茶を販売したら、井川に足を運ぶ人が減ってしまうのではないかと心配する人もいるかと思いますが、滝浪さんの熱い話を聞けば聞くほど、「むしろ逆だ」と感じました。 全国には、まだ井川を知らない人がたくさんいます。その人々に井川茶を飲んでもらい、井川に興味を持ってもらい、「いずれは井川に来ていただく」ということでもよいのではないでしょうか?
そんな滝浪さんの井川に対する熱意は、息子の雄一さんの心も動かしました。
「息子は今、静岡市街地に住んでいますが、折に触れ、井川に戻ってきて手伝ってくれるのですよ。しかもお茶の勉強もしっかりやってくれています。自分の息子ながらたくましくてね。うれしいですよ。」と滝浪さんはうれしそうに語ります。
「井川はいいですよ。お茶はもちろんですが、野菜なども自分で作っています。とにかく井川の風土に培われた農作物はおいしい!一度はおいでください(笑)」
時流に合わせ、井川茶の新しい販売方法を挑戦する、茶畑を背景に笑顔で話す滝浪さんは、自信に満ち溢れていました。
将来、息子さんに滝浪園の井川茶は守られて行くのでしょう。
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