山小屋レポート - 赤石小屋report
山岳ツアーの経験を活かしたおもてなし
- 赤石小屋 高橋千亜紀さん -
赤石岳から椹島へと降りる登山道を見ると、樹木の中に小さく赤い屋根の山小屋がある。登山者の視点に立ち、女性管理人ならではの細やかな気配りが行き届いた赤石小屋だ。この小屋の管理人である高橋さんを取材した。
施設情報
営業期間 | 2023年7月13日(木)~10月9日(月祝) |
---|---|
標高 | 2,500m |
収容人数 | 50人 |
料金 | 1泊2食 13,000円(寝具込) |
食事提供 | 夕食 2,000円 朝食 1,000円 弁当 1,000円(別途) 飲料類の販売あり |
テント | 幕営 一人2,000円(15張) |
トイレ | あり |
水場 | あり |
WEBサイト | https://www.t-forest.com/alpsinfo/climber/lodgeinfo/ |
予約について | 小屋泊は、事前に予約が必要です 【6/1から予約受付開始】 |
問い合わせ先 | (株)特種東海フォレスト 事業開発部 電話番号:0547-46-4717 |
山岳ツアー添乗員の経験を活かし、女性目線で運営
高橋さんは、宮城県仙台市在住。南アルプスの開山シーズンになると、はるばる静岡市の赤石小屋へやってきて、管理人として働いている。南アルプスという特殊な環境の中で、高橋さんのような女性管理人は、珍しい存在だ。
以前、旅行会社で山岳ツアーの添乗員をしていた頃、全国の山を登り、多くの山小屋へ行ったそうだ。赤石小屋は、今から25年以上前、初めて宿泊した山小屋だったため、とても印象に残っているとのこと。その後、南アルプスに魅了され、赤石小屋、椹島ロッヂ、熊の平小屋で働いたのち、(株)特種東海フォレストの方に声をかけてもらったことがきっかけで、現在に至っている。山岳ツアー添乗員の経験を活かしながら、きめ細やかな気配りを心がけた小屋運営をしている高橋さんだが、この小屋の管理人になったのは、別の想いもあるそうだ。
2011年に発生した東日本大震災で仕事や食べ物が無くなってしまった時、(株)特種東海フォレストが救援物資を持ってきてくれるなど、多くの支援をしてくれた。その当時の支援への感謝の気持ちを抱きつつ、恩返しの想いも込めて管理人を務めている。
山小屋では、水は非常に貴重な資源である。赤石小屋では、約100m以上も下からポンプアップしているため、水の管理には特に注意している。
また、南アルプス南部でも毎年多くのけがや事故が発生しているが、赤石岳から椹島を結ぶ登山道にある東尾根(大倉尾根)の下りで多く発生している。北沢源頭部は雪の影響で崩れることから、登山道の状況が毎年変わるため注意してほしいとのこと。
※南アルプスにある荒川小屋、赤石小屋、百間洞山の家などの山小屋は、(株)特種東海フォレストが管理しています。
赤石小屋 周辺の景色
赤石岳の山頂は、当然のことながら見晴らしが良く、「良い景色」を見ることができる。
ここ赤石小屋からは、小屋に下ってきた登山者がこれまで歩いてきた道を遠望できる。『位置的に景色が良いと思っていない人が多いですが、実際に小屋に来ると景色が良いね!と驚く登山者がいます。』と高橋さん。景色が良い小屋ということをもっと知ってもらいたいとのこと。
9月の夕暮れに、その名もかわいい兎岳と小兎岳の間に夕日が沈んで行く素敵な風景が高橋さんのお気に入りだ。丸いと思われている兎岳の山頂付近は、赤石小屋から見ると尖って見え、聖岳の山頂も鋭角に見える。山頂の形も見る場所により異なるのが、登山の醍醐味の一つだ。
赤石小屋のこだわり
静岡市から登る南アルプス
★山小屋情報をクリックすると山小屋の情報とレポートをご覧いただけます。★山情報をクリックすると山の情報をご覧いただけます。