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取材日は2023年7月後半です。
登山道や山小屋の状況などは、各自で最新情報をご確認の上お出かけください。
「ステップアップ南アルプス南部登山」
千枚岳(2,880m)から
悪沢岳
(荒川東岳・3141m)を目指す
7月後半、千枚岳から悪沢岳へと歩いてきた。
千枚岳の山頂を越えると、高山植物の咲き乱れるお花畑。この日は、タカネビランジやタカネマツムシソウ、ミネウスユキソウなど色とりどりの花に癒された。
可憐な植物たちに目を奪われがちだが、この辺りは岩場かつやせた尾根。慎重に歩みを進めたい。
お花畑に癒されたのも束の間、断崖絶壁を下降する梯子に行きつき、しばし絶句。しっかりして丈夫そうな梯子ではあるが、取り付くのになかなか勇気がいる。恐る恐る足を乗せて、5mほどの下降体験。繰り返すが、この辺りは岩場のやせた尾根。梯子から着地した後とて気が抜けない。
さらに行くと、岩場の急斜面の下降に行き当たる。本当にここを降りるの?!と驚くくらいの高度感だ。
写真ではわかりづらいが、斜面下部に先行する人物と斜面上部の人物との距離感から、その高さが伝わることを期待する。
その先には、これから歩く登山道が遠くまで続き、丸山、悪沢岳と本日の行程を一望することができたのだが、この時はそれに気づく余裕もなかった。落石を起こさないように、ひとりひとり距離を開けて慎重に下る。
やがて登山道は、丸山直下へと。ザレたなだらかな道をジグザグに登っていけば、丸山山頂だ。
山頂直下で、ライチョウの親子に出会った。幼鳥が6羽ほどいただろうか。母鳥の周りを、ちょこちょことせわしなく歩き回り、夢中でなにかをついばんでいた。母鳥が「くぅ、くぅ」と鳴く声がかわいらしい。厳しい環境の中生き抜くライチョウたち。ここまで大きくなった幼鳥たちが、このまま無事に成長していくことを願う。