山小屋レポート - 茶臼小屋report
笑顔が素敵な女性の管理人 - 茶臼小屋 吉住香穂世さん -※取材記事は2019年のものになります。
茶臼小屋は、標高2,400mに位置する山小屋。収容人数は60人程度だが、ここ数年、利用者は増加している。2019年から新たにこの小屋の管理人となった吉住さんに話を聞いた。
施設情報※施設情報は2022年のものになります。
営業期間 | 2022年 7/16(土)~9/24(土) |
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標高 | 2,400m |
収容人数 | 30人 |
料金 | 1泊素泊まり 9,000円(寝具込) 食事の提供はありません。 予約無しの場合、10,000円となります。 ※インナーシュラフをご持参ください。 |
幕営 | 一人2,000円(10張) |
トイレ | あり |
水場 | あり(無料) |
予約・お問い合わせ |
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備考 |
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先輩管理人から知識を受け継ぐ
吉住さんは、東京出身。社会人になってから、週末、趣味で登山をしていくうちに、山への興味が広がって行った。北アルプスの山小屋でアルバイトをしたことが、山小屋で働くきっかけとなった。山小屋のスタッフとして働きながら、日本各地を登山する中、南アルプスの茶臼岳に登った時に、その景色や自然に魅了されたそうだ。そこで、茶臼小屋でスタッフとして働きはじめ、2019年に管理人となった。
これまでは、管理人のもとスタッフとして働いていたが、自分が管理人となると、山小屋運営のあらゆる判断を下さなければならず、自分の判断に対する責任の大きさを感じているという。
山頂では、限られた資源の中で、滞在者にできる限りのサービスを提供し、不測の事態が発生した場合など、状況に応じた判断をしなければならない。仲間の管理人からは、【吉住さんは責任感が強いから】と太鼓判を押されていた。これまで管理人をしていた風岡さんが、今年はサポートしてくれるそうだ。吉住さんは、風岡さんのアドバイスを受けつつ、これから様々な判断をしながら、山小屋経験を積んでいく。女性の管理人ならではの細やかなサービスも期待できそうだ。
茶臼小屋周辺の景色
茶臼小屋周辺では、四季を通して約100種類の花が咲いており(※現在、大学教授になられている方の、学生時の調査結果である。小屋にはそのファイルもある。何年も前の調査であるため、現在は増えている可能性も。)、茶臼小屋は、そのお花畑の中に建っている小屋。茶臼岳周辺には、亀甲状土の地形が見られ、雨が降るとその地形に水が溜まり、やがてお花畑になっていく。
雪解けした頃には『コイワカガミ』が群生する。それが終わると、シナノキンバイ、ツガザクラ、ハクサンフウロ、ハクサンチドリ···、全ては書ききれないが、入れ替わりで次々と花が順番に咲いていく。最近はニホンジカが減ったのか、ニホンジカが好んで食べるため減ってしまっていた花の復活を感じるとのこと。特にニッコウキスゲ、ミヤマシシウドなどが増えているそうだ。
秋はホソバトリカブト、タカネマツムシソウといった紫の花が群生する。以前、白いマツムシソウが咲いた事もある。とても珍しくて、咲いたのはその年だけだが、毎年、花が咲くのを楽しみにしているとのこと。
茶臼小屋のこだわり
聖岳と光岳の中間地点になる茶臼小屋では、登山客に安心感とホッした環境を提供することを心がけたいとのこと。食事のメニューについては、前管理人から続く魚料理を踏襲しながら、肉や魚を提供できるように検討中で、スタッフと会議をしながら決定する。
2018年の台風の影響で、山小屋へ登る途中の複数の橋が流されてしまい、現在は、丸太を使って仮設の橋を架けている。ガレや崩落の危険性がある場所もあり、くれぐれも気を付けて登山をして欲しいとの事だ。ツアー客の宿泊が多い山小屋だが、茶臼小屋から各山へのルートは、長時間に及ぶ。茶臼小屋で休息してもらいながら、目的の山を目指し、また、元気に山小屋に戻ってきて欲しいと吉住さんは語った。
山小屋レポート



静岡市から登る南アルプス

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